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History-最終章
挑戦は終わらない。

2021.05.20
BACKSTAGE
鯖江における眼鏡業界にて40年余りかけて歩んできた道。その道は金子にとって幾多の山を越え、歩みを進めながら試行錯誤を繰り返し、時には迷い立ち止まり、時には全速力で走り抜けた道のりでした。一介の卸問屋業として地方から東京を巡った日々。多くの人たちとの出会いや様々な経験から生み出されたオリジナルブランド。理想とする店舗と念願の工場設立。しかし、現在たどり着いたこの場所から見える景色は、金子が想像していたものと全く違っていました。

眼鏡に限らず、多くの困難に直面する日本のものづくりと職人技術の継承。私たちがまるで空気の様に感じていた日本製の商品は、時代の変化でいつの間にか存続の危機に陥っています。近年、鯖江の職人技術が注目され、質の高いものづくりの価値が再評価される一方で、コスト重視の経済的時流は低価格の海外製商品の輸入に拍車をかけ、それを主力とする低価格眼鏡店は増加の一途を辿っています。

その間も産地存続の悪化のスピードはさらに加速。200に及ぶ工程を、各社が「分業」という形を取ることによって多くの技術を発展させてきた鯖江のサプライチェーンは、その一つでも欠けた途端に、まるで部品が欠損した精密機械のようにもろくも崩れてしまいます。すでに一部の工程ではその問題が顕在化しており、産地全体に深刻な影響を及ぼし始めています。

現在の金子の自社工場だけでは、到底間に合わない。本当の意味で、ものづくりを継承するとはどういうことなのか。

産地のものづくりの未来のために、取り組まなければならない課題と覚悟とは。

消えゆく灯を、消さないように、絶やさないように。この産地の歴史を次世代に繋ぐ決意こそが、金子眼鏡の社会的使命。ものづくりの継承という素朴な想いから製造をスタートした金子にとって、いま一番大切に思うことは『この灯をいかに次世代に繋いでいくか』。悩み抜き導き出した答えは、産地とともに共生して産地のプラットホームの一翼を担うこと。伝統的な技術から最新のデジタル技術まで飽きなく追求し、あらゆる工程の内製化に取り組む覚悟と、ものづくりへの全力投球。社運をかけた挑戦はこれからも続きます。

見果てぬ夢。

BASEMENT
《自分たちが想いを込めて手がけた眼鏡を、一人でも多くの人に伝え世界中の人々に掛けてほしい。》

「何の後ろ盾もない孤立無援の状態で、地方の店を独り営業に回りながらもなかなか最後列から抜け出せないでいた頃の素朴な夢でした。それが、ものづくりを自分たちが手掛けるようになってからは少しずつ実現できることが増え、その夢はますます膨らんでいます。
そして今は『一番売れる会社』ではなく、本当に真剣に真正面からものづくりに励み、本当に真剣にそれを世界中に伝える会社でありたいと思っています。

これは私と、私の想いと共に歩んでいる金子眼鏡スタッフの夢の実現であると同時に、廃業を余儀なくされた多くの先人達の無念さを思うにつけ、一本でも多くの眼鏡を販売し、愛用していただくことこそが生産の継承発展を支える唯一の道と考えます。販売の拡大と製造の発展はコインの表裏であり、不可分な関係です。それぞれが前進することだけが、互いの成長発展の支えとなるのです。

この想いを胸にこれからも私たちは走り続けます。
たどり着いたと思った場所は、まったくゴールではありませんでした。金子眼鏡の道はまだまだ続いています。
見果てぬ夢を目指して。」

(2021年5月 金子眼鏡株式会社 代表取締役・金子真也)



[私たちの理念]
 

私たちは、アイウェアを通して、世界中の人々に「夢」「感動」「幸福」を提供し続けます。
 

私たちは、アイウェアを通して、世界中の人々の文化的生活の向上に寄与することを目指します。
 

私たちは、アイウェアを通してもたらせる繁栄を、関係する全ての人々と共有し、ともに成長し、社会に貢献していきます。